COLUMN

YASUOKAという当たり前

オーナー夫妻がこの平塚という土地に「やすおか美容院」を開業して今年で30年の月日が経った。

スタッフからもお客様からもBOSS(ボス)と呼ばれる経営者の安岡明裕と生子オーナーと呼ばれるみんなのお母さん的存在の安岡生子。

この2人が「むかーしむかーし、あるところに….」と始まる、この30年のストーリーの主人公だ。

 

YASUOKAが生まれたのは1989年11月。

平塚市桃浜町の12坪の居抜きの美容室を紹介され「やります!」と食いついたところから始まった。3つのセット面に2つのシャンプー台、一人分のスペースしかない狭い休憩室、とにかく小さな小さな美容室だった。

スタッフはもちろん夫婦2人。掃除もお流しもアシスタントがする業務も全て2人で行っていた。それでもお客様を出迎えてからお見送りまで全て関われるその時間が2人の夢が詰まった小さな宝箱のような場所だった。

 

 

大変だった記憶より、充実感や達成感を覚えていると2人は口を揃えて話す。当時はどんな美容院にしたいかよりもただ目の前にいるお客様を今よりもっと綺麗に、もっと可愛く、もっと若々しくしたいとしか思っていなかった。そこがYASUOKAの純粋な気持ちで開業当初から今日まで変わらないところだ。

 

平塚という土地の右も左も知らない2人が「YASUOKA」という名を知ってもらうきっかけになったのはBOSSのショートカットだった。後ろ姿の刈り上げの美しさが評判を呼び「あのショートカットはどこでできるの?」と次から次へとお客様が集まってきた。そんな確かな技術は今も健在で横浜をはじめ県外からもBOSSのカットを目当てに来る方も多い。また、チラシも生子オーナーが夜な夜なプリントごっこという機械で1枚1枚丁寧に刷って配った。今ではパソコンで簡単に出来る作業も30年前はとても時間のかかる作業だった。

 

そんなYASUOKA美容院が今年で30周年という大きな節目を迎えたが、物事をはじめて30年続けることはもとより、発展し続けることというのは非常に難しいことだと感じる。それは並大抵の努力ではできないことだろうが、YASUOKAは努力というものよりももっと違うもので発展し続けている気がする。BOSSは「継続は力なり」という言葉を大事にしているがそれを実現させているのは

「当たり前を当たり前に実行する」

というすごく単純だけれど多くの人ができないものだろう。

 

例えば、人が見過ごしてしまう小さなゴミを拾うこと、花や木に水をあげ丁寧に育てること、人の目を見て話すこと、大きな声で自分から挨拶をすること、ありがとうの気持ちを常に伝えること、もっと上手になりたいと学び続けること…当たり前なのかもしれない小さなことをずっとずっと続けているからこそ会社そのものが維持をし、発展することができているのではないだろうか。

 

30周年という大きな節目に立った今、これまでいろんなことがあったなあと思い出に少し浸りつつ、気持ちを新たにスタッフ一同「当たり前を当たり前に実行できる」お店をつくっていきたい。

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